Everything's gonna be alright

英語圏のサッカーの戦術分析記事の翻訳ブログ

先日ニューヨークタイムズレバークーゼンのスカウトに関する面白い記事を見つけたので紹介したいと思います。

近年ドイツではナーゲルスマンやテデスコに代表されるように指導者は優秀であれば選手としての実績が乏しくてもトップチームのポストに引き上げられる流れにありますが、どうやらその流れはフロントの人間であるスカウトも例外ではなくなってきているようです。

下は元記事のリンクです。

*尚、拙い英語力で翻訳していますので一部意訳、誤訳があるかもしれませんがご了承ください。

 

www.nytimes.com

 

レバークーゼン、ドイツ。Jonas Boldtが見ている課題はサッカーにはもはや見つかっていない秘密はないということ。もう未知の領域はなく、あらゆる手段は尽くされ、隠された宝石などない。

例えば彼のキャリアを変えた成功、彼の生まれ育ったクラブでのインターンシップから始まり現在のポストであるドイツ有数のビッククラブのスポーツダイレクターに上り詰めるまでの道のりはほとんど起こることがなかった。世界は変わりすぎ、狭くなりすぎ、多忙になりすぎている。

2007年、Boldtはまだ20代中頃で経営学とスポーツマネージメントの修士号を取得し、レバークーゼンでの二つのインターンシップを終えたばかりで、語学習得と人生経験のために南米で時間を過ごすことを決心した。

 レバークーゼンでの彼の主なタスクはクラブが持つ契約する可能性のある選手のデータベースを作ることだった。そして彼の働きぶりは当時のスポーツダイレクターだったMichael Reschkeの目に留まるに十分だった。

Boldtがブエノスアイレスへの引っ越しを伝えると、Reschkeから将来の獲得選手の発見の視察を兼ねてクラブから手当てを支給することを提案された。Boldtは半年間、朝4時間スペイン語の勉強をし、午後の時間は試合観戦にあてる生活を送った。

ブラジル同様アルゼンチンはヨーロッパのビッグクラブのスカウトや代理人や仲介人が群がり、新たなタレントを発見しビッグクラブに売却して莫大な利益を手に入れることを狙っている。
昔は知られていない秘密の場所がまだ存在した。2007年、BoldtはU-20南米選手権を視察するためにパラグアイアスンシオンに足を運んだ。彼は左のサイドバックを探すよう指示を受けていたが、代わりに彼の心を捉えたのは赤のモヒカン頭のエネルギッシュに走り回るチリ人MFだった。

Boldtは彼の上司達にチリに来て直接彼のプレーを見るべきだと主張した。彼らは何度もコロコロでのそのチリ人MFのプレーを確認してBoldtの主張が正しいことが分かった。半年後レバークーゼンは彼との契約を締結し、Boldtはデュッセルドルフ空港でアウトゥーロ・ビダルを出迎えた。ビダルの成功(彼はその後ユベントスバイエルン・ミュンヘンバルセロナへ移籍した)はBoldtのキャリアを変えた。二年後彼はレバークーゼンのスカウト部門のトップに就任した。そして今夏、彼は36歳にしてただのインターンからスポーツダイレクターにまで上り詰めた。彼はこのサクセスストーリを”little dream”と表現した。

そういった意味で彼ははジョシュア・キミッヒやユリアン・ブラントのような選手、またはユリアン・ナーゲルスマンやドメニコ・テデスコのような監督と同様にブンデスリーガの近年のユース年代への努力を表す成功例と言える。ドイツサッカーは現在、選手や監督の育成に留まらず、フロントの人材をも育てようと目論んでいる。

レバークーゼンのようなクラブではBoldtの担う役割はとても重要だ。彼はレバークーゼンのスタジアムでのインタビューの中で「我々はチャンピオンズリーグに出るための予算を組んでいる。だがそこに出場できない年があるのも分かっている。」と語っている。

そういったチャンピオンズリーグに出れない期間は、Bayerのような大企業がバックに付いているとしても、選手を売って財政のバランスを取らなければならない。今夏チャンピオンズリーグの出場権を逃したことで、ゴールキーパーを2800万ドルでアーセナルへ売却した。Boldtの仕事の一部はタレントの安定的に供給し続けることだ。そのためにはチャンピオンズリーグに出場し続けるか、食物連鎖の上位にいるビッグクラブから注目を集め続けなければならない。

レバークーゼンのピッチ上での成績は素晴らしいが、そのスカウティング能力は高く評価されてきた。例えば、近年レバークーゼンビダルだけではなくアンドレ・シュールレソン・フンミン、ハカン・チャルハノール、エムレ・ジャン、ケヴィン・カンプルなどで大きな利益を得ている。

これまで成功してきたがこれからの同じように成功するのは至難の業だ。新しい市場にはすぐに人が殺到し原石はきれいに刈り取られる。ビダルの成功のあとに起こったように、いたるところで今も起こっている。「今は誰しもがチリをチェックしている。」Boldtは言う。

トップを走り続けるために、Boldtは次々にめずらしい場所に出向いて新たな金の卵を他の競争相手より先に見つけることに集中していない。代わりにそういったタレントを見つけ出す人たちの方に注意を払っている。Boldtのもと、レバークーゼンはスカウトにとっての仕上げの学校に変貌している。

Boldt曰く、スカウトに必要なスキルは生まれ持ったものではなく、後天的に獲得できるものだ。有望な選手を見つけることが可能なバックグラウンド、判断を高めてくれる必須の過去の経歴や特別な知識はない。指導者と同様に、ドイツは名選手しか隠された成功のための秘密にアクセスできないとは考えていない。Boldtはスカウティングはほとんど誰でも学べるものだと主張する。

「特別な基準は存在しない。下部リーグでプレーし、選手としては成功できなかった者かもしれないし、大学で学んだ者、野心のある誰かかもしれない。」

レバークーゼンはケルンのthe Sports Universityと繋がりをもっている。これが有益な良い結果を生むことは証明されている。たいてい新人はBoldtのようにインターンからスタートする。「我々は彼らにいくつかの小さな仕事を与える。正規契約する保証も約束もしていない。ただチャンスを与えるだけだ。」Boldtは言う。15年前に彼が与えられた物と同じように。
「扉を常に開いている。ただそれだけだ」Boldtは言う。彼は忠誠心と情熱を見せて何度も何度も質問してくる者を探している。

スカウトは特にそれが必要だ。Boldtは年間スタジアムで250試合見て、ほとんど毎週ヨーロッパと南米を行ったり来たりした時期があった。
「この経験はゲームを理解する助けになった。だが我々はこれを”仕事”と捉える者は必要ない。」彼は言う。
しかし各地を飛ぶ回って現地に足を運ぶことだけがスカウトの仕事ではない。Wyscoutというクラブが使っているビデオサービスで試合を見たり、世界各地にいるクラブが抱えるフリーランスからのレポートを受けたり(正規雇用のスカウティングスタッフはたった10人しかいない)、獲得候補の選手のバックグラウンドやパーソナリティーをチェックしたりする。(現在多くのクラブは選手たちのSNSの履歴をチェックするようになっている。)

しかし最も重要なことはコーチや代理人、選手達との信頼関係を構築することだ。

これはBoldtが何か月も南米でやったことだ。これがレバークーゼンビダル獲得を可能にしただけでなく、血気盛んな選手を新しい環境に慣れさせることを助けている。Boldtはデュッセルドルフ空港でビダルを出迎えたあと、ビダルを彼の家に連れていき、若干20歳のチリから遥々来た若者と1年間共生活を共にした。

彼は自分が特別に先見の明があったから成功できたとは思っていない。彼が育てたシステムが彼が提供しているものがよそとの違いを作り出しているという彼の確信を支える証拠だ。それはチャンスを与えることである。それはまだ初期段階にすぎないが、その結果が現時点で彼の正しさを証明している。スカウトは生まれつきの才能ではなく、作り出されるものだ。

バイエルンレバークーゼンのチーフスカウトだったLaurent Busserを引き抜いたあと、今年の初旬、Claus Costaを後任に任命した。Claus Costaは下部リーグで選手時代を過ごし、10年以上前のBoldtと同様に非公式な形でこのクラブにやってきた。
バイエルンで働いている元レバークーゼンのスタッフはBusserだけではない。バイエルンのチーフスタウトのMarco Neppeも同じく2014年に移籍した。彼は選手時代はずっと下部リーグで過ごした。BoldtはNeppeが自身以上のタレントを見つけられるのだと証明するためのチャンスを与え、そして彼はそのチャンスを掴んだ。
選手を発見することが仕事の者にとっては過去になく厳しい時代だ。世界は狭くなりすぎ、繋がりすぎ、オープンになりすぎている。隠された秘密をもうなにもない。

だが選手を見つける人間を探すことが仕事の者にとっては未知の領域は十分残されている。

 
今回は近年アタランタを躍進させているジャン・ピエロ・ガスペリー二についての分析記事を訳しました。拙い英語力で訳していますので誤訳などあるかと思いますがご容赦ください。
 
元記事はこちら

totalfootballanalysis.com

 
ジャン・ピエロ・ガスペリー二
 
過去2年間でジャン・ピエロ・ガスペリー二より良い成績を残したと言える監督はほとんどいない。彼は昨シーズンアタランタを4位に導いた。そして現在も来年のヨーロッパの舞台への出場権を確保できる6位にいる。この間のアタランタは彼らの素早いパス回し、力強いプレッシング、トップチームに引き上げられた若手の数でヨーロッパで最も魅力的なチームのひとつだ。今回はガスペリー二が使っているコレクティブなマンマークを含めた卓越した効果的な戦術を考察していく。

 

ガスペリーニの好むフォーメーション

彼のイタリアのトップカテゴリーでのすべての指導期間中、ガスペリーニは3-4-3を駆使してきた。正確に言うと、3-4-2と3-4-1-2のふたつのフォーメーションを使い分けていた。主に自チーム又は相手のスターティングメンバーによって変わるが、この2年間は基本的に攻撃時は3-4-2-1だ。しかし守備の局面においてフォーメーションの話をするのは間違いだ。そのことについては後ほど。下の画像は通常の攻撃時のラインナップを表してる。

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アタランタのハイプレス

アタランタはイタリアで最もアグレッシブなチームのひとつで、ガスペリーニは選手達に相手を阻止するために高い位置でのプレスを指示している。スタッツがこれを証明している。アタランタは1試合あたり平均18.9タックルという数字を記録しているが、これはフィオレンティーナしか上回ることが出来ていない。同様にたった3チーム(ローマ、ナポリサンプドリア)だけがアタランタの351より少ないパスを1試合あたりに許した。これらのスタッツが彼らのプレッシングがいかに効果的で、彼ら相手にボールをキープするのが難しいか物語っている。さてどうやって彼らはこれを行っているのか?
アタランタのハイプレスは完全にマンマークで行っている。これはディ・フランチェスコのローマに似た方法だ。ガスペリーニの全体的なディフェンスの戦略は相手のマンマークなので、後ほど見ていくが、マンマークのプレッシングが採用されていることは驚きに当たらない。マンマークはリアクションになりやすい性質から、ガスペリーニは相手のメンバーをもとに彼のプレッシング方法を採用している。下で二つの異なるシナリオを見てみよう。
最初の例はインテル戦のものだ。インテルはこのゲームで3-2-4-1でビルドアップをしているが、これはガスペリーニインテルのスリーバックに対してファーストラインで前線3枚でプレスすることを意味する。アタランタのツーセントラルミッドフィルダーインテルのツーミッドフィルダーをマークして、ウイングバックが対面するインテルウイングバックをマークしていた。下のシーンでは、インテルの右ウイングバックCanceloが左ウイングバックのRobin Gosensにプレスされている。左フォワードのAlejandro Gomezがインテルの右センターバックをマークし。セントラルミッドフィルダーのFreulerがインテルミッドフィルダーのGagliardiniを中央でプレスしている。右フォワードCristanteがインテルの左センターバックをマーク。ストライカーのMusa Barrowがセンターバックへのパスを阻止しながら、ゴールキーパーへのバックパスの選択肢を消している。インテルはロングボールを蹴らされてアタランタがボールを回収する。

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 下は先週のジェノア戦。ガスペリーニジェノアの3-5-2に彼のプレッシング方法を適用した。どうやってワイドフォワードが相手のワイドに開いたセンターバックにプレッシャーをかけているかもう一度見てみよう。ストライカーのBarrowがカバーシャドウを使って彼を回避してセンターバックにパスする選択肢を消しながら、もう一度ゴールキーパーにプレスしている。アタランタミッドフィルダーのひとりがジェノアのプレイメーカーにプレッシャーをかけて、もうひとりがジェノアミッドフィルダーを捕まえると、またしてもウイングバックの直接対決になる。アタランタの中盤2人に対したジェノアは中盤3人、しかしアタランタの3人のディフェンダーに対して2人のフォワードしかいないので、必要であればアタランタセンターバックのひとりがジェノアの3人目のミッドフィルダーをマークできる。

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コレクティブなマンマーキング

上で記したように、ハイプレスを行わないときもガスペリーニはコレクティブなマンマークを展開する。それぞれの敵をマーク出来るように相手のポジションをもとに自身の選手を配置する。時にはスペースをカバーするために一人(たいていディフェンダー)をディフェンス時に余らせる。こういったマーキングではある程度の柔軟性があるのが普通だ、とくにディフェンダーが相手を受け渡して自分のポジションに留まる時などは。しかしいくつかの試合で彼らは相手がどう動こうが厳格なマンマークを行っている。このようなアプローチでは伝統的なひとつの固定されたシステムでディフェンスの形を語るのは困難だ。どちらかといえばこれは流動的なコンセプトだ。

 

構成の異なる3試合を見ていく。初めに4-3-3の卓越したパスサッカーで有名なナポリとの一戦。ガスペリーニは以下で見られるようにマンマークで彼らのビルドアップを阻止しようとした。彼はナポリの両センターバックミッドフィルダー3人すべてをマンマークする決断をし、前進するためのすべての中央の選択肢を排除した。取り残された両サイドバックがボールを受けようとした瞬間がボールサイドのウイングバックが押し上げる合図になっていた。このアプローチは昨年特に良く機能していたので、アタランタナポリにリーグ戦でダブルを達成した。

 

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前述したインテル戦はインテルの3-2-4-1システムによって違うシナリオを表している。下の画像で分かるように、これはアタランタと同じ形なのでそれぞれの選手が対峙する相手を見つけるのは容易だ。

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下は昨シーズンの4-2-3-1のユベントス戦だ。これはアタランタマンマークを最も興味深く、また極端に示した例かもしれない。このゲームでのストライカーGomezがBarzagliにプレスしている。アタランタがどのようにユベントスセントラルミッドフィルダーPjanicとKhediraをマンマークしているかはっきり見ることが出来る。ユベントスの右サイドバックが左ミッドフィルダーのKurticにマークされている。黄色で示された左センターバックAndrea Masielloがディフェンスラインを離れてボールに向かって降りていくDybalaについていく。

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下の画像ではボールを持ったPjanic がFreulerにマークされている。遠いサイドではKurticがまたユベントスの右のディフェンダーをマークし、左隅ではCristanteがKhediraをマーク。黄色で示されたMasielloのポジションを見てほしい。左センターバックなのにも関わらずハーフウェーラインを超えてDybalaをマークしている。黒で示されたアタランタの中央のセンターバックMattia Caldaraが中盤までGonzalo Higuain につく。ガスペリーニの指示がいかに厳密かが分かる。このことからディフェンスの陣形の形の話をするのはとても難しい。相手の動きによって絶えず形が変わる。

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下はユベントス戦のアタランタのアプローチの全体像をよく表している。この試合ではいつもとかなり違う構成だったのでフォーメーションで表すのは不可能だ。両翼にそれぞれ2人ずつディフェンシブな選手を配置している。写真上部で左ミッドフィルダーのKurticがユベントスの右バックDani Alves をマークし、左バックSpinazzolaが右ウイングのCuadradoをマーク。右サイドでも同じように、右ミッドフィルダーのHateboer が左バックAlex Sandro をマークし、右バックContiが左ウイングのMandzukicをマーク。黒で示されたふたりのセンターバックユベントスの前2枚をマークして3人目のセンターバックリベロとしてスペースをカバーする。そして2人のミッドフィルダーユベントスのデュオをマークする。ストライカーのGomezが片方のセンターバックにプレッシングしてもう一方のセンターバックをフリーにする。

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上の画像は、もしマークのミスがあった場合この構成がいかに脆いかを表している。青で示されたCristanteはKhediraを離してChielliniとボールに引き付けられている。Khediraはフリーでボールを受けてターンにして前を向く。これはピンチになっていてもおかしくないがこの場面ではそうはならなかった。もう一度センターバックのポジションに注目してみよう。何か前に見たことのある光景ではないだろうか?

マンマークはリアクションになってしまう性質があるにも関わらず、ガスペリーニマンマークは主体的である。アタランタがこの形になると相手チームはアタランタのやり方に合わせなければならなくなり、問題が生じるので相手にするのは脅威だ。現時点でアタランタが許した失点数36を上回るのはユベントスナポリ、ローマ、インテルだけなので、このやり方はうまく機能していると言える。エネルギッシュでアグレッシブなアタランタのプレッシングと彼らのコレクティブなマンマークはどのチームも相手にしたくないものにしていて、なぜディフェンスのスタッツが優れているのか説明している。

 

ガスペリー二のポゼッションの仕組み

ポゼッション中アタランタはとてもオーガナイズされ、良く準備されている。ポゼッション時3-4-2-1なのでウイングバックによって常に横幅を確保でき、中盤の中央で4人の選手が異なる高さを作り出せる。このボックスのミッドフィルダーによって相手のミッドフィルダーは自分達の前と後ろ両方で2人ずつを見ることになるので相手にとってさらなる問題が発生する。そのポゼッションの構造が下で示されている。

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アタランタは素早くて鋭いパス回しで後ろからのビルドアップを試みている。セントラルミッドフィルダーのひとりがサイドに向かって降りてきて、ウイングバックが作った空いたスペースでのボールの前進を助ける。2人の攻撃的ミッドフィルダーは基本的にそれぞれのハーフスペースにポジションをとり、ボールを受けたら素早くターンして前進する。アタランタのポゼッションの全体のアイデアはコントロールされた方法でボールを出来るだけ早く前進させることのようだ。しかしもしプレスされたらアタランタゴールキーパーもしくはディフェンダーのひとりからロングボールを蹴ることを躊躇しない。そしてストライカーもしくはCristanteを探してフリックするかセカンドボールを奪う。

 彼らはさらにポゼッションをコントロールするのにも長けている。平均ポゼッション率はセリエAで6番目だ。3人のセンターバックからのソリッドなビルドアップのベースを持っていて、また二人のミッドフィルダーカウンターアタックに対して安定したプロテクトを形成する。狙いはボールを素早くサイドに供給して、ウイングバックに攻撃するスペースと時間を与えることだ。下の画像で見ていく。

Creating chances

ウイングプレイ

ガスペリーニのチャンスを作る方法の主な源はサイドエリアだ。前述のとおり、ウイングバックが常に最大限横幅を維持して、ロウクロスもしくは切り返し出来るエリアから片方のサイドか相手のディフェンスラインの裏のスペースでチャンスを見出そうと試みる。注目すべきことはアタランタはそのシュートの難しさから滅多にハイクロスはしない。代わりに空中戦よりゴールの確率が高く、ワンタッチでシュートでき、よりコントロールの容易いロウクロスか切り返しに重点を置いている。ウイングバックに出来るだけ時間を与えるために、アタランタは素早くサイドチェンジをする。たいていハーフスペースにいる攻撃的ミッドフィルダーにパスして相手のサイドバックを引き付けてから突進してくるウイングバックに展開する。下の画像は頻繁に見られるシーンの一例だ。

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ウイングバックを良いポジションに位置させるためのもう一つの方法は下の画像のようなコンビネーションを利用することだ。Toloi がCristanteにパスしてウイングバックのCastagneがCristanteが開けてくれたスペースに走りこむ。

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一方のウイングバックがボールを持ってペナルティーボックスにクロスを上げる時、逆サイドのウイングバックはペナルテイーエリアに入っていきファーポストのエリアを攻撃する。昨シーズンAndrea Conti はガスペリーニが求めるウイングバックの役割を完璧にこなした。リーグで8ゴールと5アシストを記録しミランへの移籍を勝ち取った。下は右ウイングバックのHateboerがクロスを送って左ウイングバックのGosensが容易にゴールしたシーンだ。

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中央でのコンビネーションと中盤からのラン

アタランタのチャンスは前線3人もしくは駆け上がってきたミッドフィルダーとの中央でのコンビネーションからも作り出されている。Alejandro GomezやJosip Ilicic、Bryan Cristante のような選手達のクリエイティビティやパスのクオリティがこの崩しのカギになっている。ストライカーはたいてい基準点になり周囲の選手達と連携するように試みる。リーグで9ゴールをあげたCristanteのこの作戦の中での素晴らしい点のひとつは何度もペナルティーエリアへのランを繰り返し、ストライカーを追い越してスルーパスに合わせることだ。下の画像の中でPetagnaがゴールを背にしてボールを受ける。CristanteとセントラルミッドフィルダーのFreulerの両方がPetagnaを追い越していく。PetagnaはCristanteにスルーパスを出しCristanteの素晴らしいクロスをFreulerが無人のゴールに押し込んだ。Freulerは今シーズン5ゴール、ミッドフィルダーのMarten De Roonは3ゴールをここまであげている。こういった深いエリアへのランニングによる攻撃参加によって彼らは重要な役割をチームで担っている。

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GomezとCristanteとのコンビネーションは恐らくアタランタのシーズンを語る上でのメインポイントだ。Cristanteは完璧なタイミングでペナルティーエリアに走り込みディフェンスラインの背後をつく瞬間を予測する。下のシーンでGomezが浮き球で走りこむCristanteにパスをして強烈にシュートする。

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下のシーンでGomezはドリブルで前進して,白で示されたインテルセンターハーフSkriniarを引き付けている。GomezはCristanteにパスしたあとそのまま走り込み、CristanteがSkriniarが出てきたことによって空いたスペースへスルーパスをGomezに出す。このコンビネーションは2人の攻撃的ミッドフィルダー(ワイドフォワード)の距離感の近さによって成り立っている。彼らの素晴らしいコンビネーションとまたストライカーのポジションによって、アタランタのセントラルポジションの3選手が相手のセンターバックと対面して、相手に脅威を与えている。

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中央でのコンビネーションプレイとサイドからの脅威によってアタランタは対戦したくないタフなチームになっている。彼らは複数の異なる方法によって痛めつけてくるからだ。またアタランタは全ゴールの25パーセントに及ぶ14ゴールをセットプレーからあげている。ガスペリーニはどの角度からも脅威を与えてくると言っていいだろう。

 

要約

ガスペリーニアタランタでの過去2年の仕事は、限られた戦力、他のイタリアのビッグクラブと比較した財政状況、そしてなんといっても戦力が流出していく中ではとても優れた結果と言える。Roberto Gagliardini (インテル), Franck Kessie (ミラン) and Andrea Conti (ミラン) はすでに売却され、Mattia Caldaraはこの夏にユベントスへ移籍するだろう。 彼らは皆ガスペリーニによってチャンスを与えられた選手達だ。ガスペリーニはユースの選手や恐らくイタリアで最も優れたスポーツディレクターGiuseppe Sartoriが連れてきた無名の選手によって彼らの穴を埋めている。そして驚くべきことに今シーズンも同様にすばらしい結果を残している。ガスペリーニは2年連続でアタランタをヨーロッパの舞台へ導こうとしている。そして彼はユニークなスタイルのフットボールアタランタファンだけでなくそれ以外のフットボールファンをも魅了している。ベルガモでの彼の指揮は続く。

ユベントスVSナポリ

クリバリの終了間際のゴールでナポリが1-0で勝利し優勝前線に踏みとどまった、ユベントスVSナポリの分析記事の翻訳です。

これは自分自身の戦術の勉強を兼ねて書いているものです。

拙い英語の読解力で訳していますので誤訳、意訳あると思いますがお許しください。

 

画像、原文は以下の引用です

https://totalfootballanalysis.com/match-analysis/juventus-vs-napoli

以下本文

The Italian title-race was thrown wide open on Sunday night when Napoli’s centre-back Kalidou Koulibaly powered a header from Jose Callejon’s corner into the Juventus net to give Napoli a 1-0 win in Turin. Only a solitary point separate Juventus in first from Napoli in second with four games to go. The game itself was a very even contest with two strong defenses going up against each other and restricting the other team to few opportunities. Let’s take a look at the main tactical aspects of the game.

ナポリセンターバック、クリバリがカジェホンコーナーキックからヘディングでユベントスのゴールネットに叩き込み、トリノで1-0の勝利をあげた土曜日の夜、イタリアのタイトルレースは大きく開かれた。これで残り4試合を残して首位ユベントスと2位ナポリとの差がたった1ポイントとなった。試合自体は両者の強力なディフェンスによってとても拮抗し、互いにほとんどチャンスは与えなかった。それではこの試合の戦術的な側面を見てみよう。

Teams

Max Allegri’s Juventus set up in a 4-4-1-1 with Gianluigi Buffon in goal, Benedikt Höwedes, Mehdi Benatia, Giorgio Chiellini and Kwadwo Asamoah in defense, Douglas Costa, Sami Khedira, Miralem Pjanic and Blaise Matuidi in midfield and Paulo Dybala acting as a number 10 behind centre-forward Gonzalo Higuain.

スターティングメンバー

ユベントスのシステムは4-4-1で、ブッフォンがゴールを守り、ヘヴェデス、ベナティア、キエッリーニ、アサモアのディフェンスライン。ミッドフィルダードウグラス・コスタ、ケディラピャニッチマテュイディセンターフォワードイグアインの後ろでディバラが10番として振舞う。

Maurizio Sarri didn’t surprise and chose his trusted 4-3-3 with Jose Reina in goal, Elseid Hysaj, Raul Albiol, Kalidou Koulibaly and Mario Rui in defense, Jorginho as the deepest midfielder behind Allan and Marek Hamsik while the front-three as always was Jose Callejon, Dries Mertens and Lorenzo Insigne.

一方サッリのナポリのメンバーには驚きはなく彼の信頼する4-3-3を選んだ。ゴールキーパーからレイナ、ヒュサイ、アルビオル、クリバリ、マリオルイのディフェンスライン。ジョルジーニョをアンカーとしてアランとハムシクの後ろに並べ、前の3枚はいつものようにカジェホンメルテンス、インシーニェ。

 

Napoli’s positional pressing

All through the game Juventus had trouble to build attacks efficiently and that was largely caused by Napoli’s superb pressing. In their 4-5-1 defensive shape, centre-forward Dries Mertens would start the press against one of Juve’s centre-backs while the ball-far winger would then push up to create a front-two when pressing against Juve’s two centre-backs. The remaining four midfielders then created a four-man midfield behind the front two and pushed up to give the first line of pressure sufficient backing. This created a very compact Napoli side high up the pitch and minimized Juve’s space when trying to build up.

ナポリのポジショナルプレッシング

ナポリの見事なプレッシングによって、ユベントスは試合を通して有効なビルドアップが出来なかった。守備時は4-5-1の形でセンターフォワードメルテンスが相手2センターバックの一人に対してプレッシングを開始し、ボールサイドから遠い方のウインガーが前線を2枚にするために押し上げてユベントスの両センターバックにプレッシャーをかける。残った中盤の4人は2トップの後ろで中盤4枚を形成し、ファーストラインのプレッシャーを十分にするために後ろから押し上げる。これによってライン高く、とてもコンパクトな陣形を保ち、ビルドアップ時のユベントスのスペースを最小限にしていた。

As you see below, Mertens has started the press against Benatia who’s played the ball across to Chiellini. This is Callejon’s cue to press the Italian and a pressing front-two is created. Note the proximity of the midfield line behind the initial press to deny Juve space to get out.
下の画像で見られるように、メルテンスキエッリーニにパスするベナティアにプレッシングを開始する。これがカジェホンキエッリーニに対してプレッシングする合図になって前線2枚を形成する。ここで最初のプレスの後ろで相手のスペースを消すためのナポリの中盤ラインの近さに注目してほしい。

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Below is another example of the press as Callejon this time starts the press against Benatia with Mertens anticipating the pass to Höwedes and sprinting towards the German. Again note the superb positioning of the midfield behind the front-two to create a stable second line of pressure if the first press is broken.

下の画像は別のプレッシングの例だ。今度はカジェホンがベナティアに対してプレスをかけて、メルテンスヘヴェデスにパスが渡ることを予測してスプリントしている。ここでもう一度注目して欲しいのは前2枚の後ろの中盤のすばらしいポジショニングだ。これによってもしファーストラインが破られても安定したセカンドラインのプレッシャーが形成できる。

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 This positionally-orientated pressing from Napoli is one of their greatest assets and a key behind how they manage to dominate the ball in every game they play. As we’ll see below, they are brilliant at maintaining a compact shape regardless of whether the ball is which is one of the focuses of a positionally-orientated defensive style where the position of your teammates and the ball determine how the team moves.

このナポリのポジショナル型プレッシングが彼らの優れた点の一つで、彼らがどうやって毎試合ボールを支配するかのキーポイントになっている。これから下で見ていくが、彼らはボールに応じてコンパクトな陣形を保つことにおいてすばらしい。これはポジショナル型ディフェンススタイルの焦点のひとつだが、チームメイトとボールによってどうチームが動くかが決定される。

 

Juventus’ man-orientated pressing

By contrast to Napoli’s approach, Juve pressed with clear man-orientations. They wanted to stop Napoli from building attacks from the back and force them into longer balls against their short front-three. Below is an example of this approach as Pjanic joins the front-two of Dybala and Higuain to mark Napoli’s outlets in their build-up. With Reina in possession, Juve withdraws his options to start the attack with a short pass and prevents Napoli from initiating a stable build-up from the back.

ユベントスマンマークプレッシング

ナポリのアプローチと対照的に、ユベントスは明らかにマンマークでプレスしていた。彼らはナポリの後ろからのビルトアップを止めて、ロングボールを小さい前線3人に蹴らせるようにしたがっていた。下の画像はひとつの例だ。ピャニッチナポリのビルドアップの出口を塞ぐためにディバラとイグアインの前線2枚に加わっている。レイナがボールを持つと、ユベントスはショートパスによって攻撃開始する選択肢を消して、ナポリの後ろからの安定したビルドアップを始めさせるのを防いでいた。

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Here is an example from a larger perspective as we can see how man-orientated Juve were in their attempt to disrupt Napoli’s build-up play. They man-mark every player in Napoli’s half to force Reina into a long pass.

次の画像がマンマークユベントスがどうやってナポリのビルドアップを妨害しようと試みるかが見られるシーンだ。ユベントスナポリ陣内ですべての選手をマンマークしてレイナにロングボールを強いている。

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On the occasions Napoli had the ball in possession and Juve couldn’t press, they steered them towards the wide areas and looked to overload around the ball to win it back with Napoli exposed. One example of this approach can be seen in the image below. However, while it did lead to a couple of turnovers, Juve didn’t create any dangerous chances from this approach.

ナポリがボールを保持していてユベントスがプレスに行けない状況の時は、サイドに追い込み密集させてボールを奪い返す。このアプローチのひとつの例が以下の画像だ。ユベントスはこれによりナポリからいくつかのミスを誘発させてはいたのだが、決定的なチャンスには繋げられなかった。

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It wouldn’t be Napoli though if they didn’t find ways out of Juve’s pressure. The main method they use, as always, was bounce-passes into higher positioned players, often Allan or Hamsik, who would then lay it back to players behind them such as Jorginho. One example is pictured below when Koulibaly plays a pass into the marked Hamsik who lays it back to Jorgino who has lots of space and can then progress the play forward or to the other side.

ナポリユベントスのプレッシャーから抜け出せない時の主な方法が高いポジションにいる味方、ほとんどアランかハムシクへ浮き球のパスを出して、それを後ろにいるジョルジーニョなどに返すというもの。下でその例が映し出されているが、クリバリがマークされてるハムシクにパスして、ハムシクはフリーの状態のジョルジーニョに下げる。そして前進もしくは逆サイドに展開出来る。

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Another way they managed to break the press was through the intelligent positioning of Hamsik who often stayed on the blindside of Khedira who often got attracted to the ball and forgot about the Slovakian he was supposed to mark. The two images below highlights how Napoli break the press through Hamsik’s positioning.

プレスを突破する他の解決方法が賢いポジショニングをするハムシクを経由することだ。ハムシクは頻繁にマークすべき選手から目を離してしまうケディラの死角に位置取りしている。下の2枚の画像がナポリがどのようにしてハムシクのポジショニングによってプレスを破っているかをよく示している。

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So, while Juve’s press limited the amount of times Napoli could build up attacks as they would have liked, the away side managed to break through the press on multiple occasions due to their strong organization in possession and intelligent positioning of players like Hamsik.

ユベントスのプレスはナポリが攻撃を構築する時間を制限しているが、アウェイチームはよくオーガナイズされたポゼッションとハムシクのような賢いポジショニングによって何回もプレスを突破していた。

 

Juventus’ low-block defending

Despite often getting out of the press, Napoli struggled to create chances because when they got out of the press, Juve were quick to re-organize in an extremely compact 4-4-1-1 and denied space between the lines where Napoli always look to get in. This led to Napoli dominating possession for most of the match but Juve also allowed them the ball as it was largely kept in front of Juve’s midfield or in wide areas where Juve were happy for the ball to be due to Napoli’s lack of a threat from crossing.

Below is an example as Napoli have the ball under control but are met with a wall of eight Juve players who prevent the central breakthrough Napoli are looking for.

ユベントスの低いブロック守備

プレスを掻い潜ったにも関わらず、ナポリはチャンスを作るのに苦労した。ナポリがプレスを抜けた時、ユベントスは素早くとてもコンパクトな4-4-1-1の陣形を構築しなおして、ナポリが狙っているライン間のスペースを消してしまう。これでナポリは終始ポゼッションを支配するが、ユベントスはほとんど彼らにとって脅威ではないミッドフィルダーの前もしくは、サイドのエリアで持たせていた。
下の図はナポリがボールを持つがユベントスの8人の壁によって中央突破を阻まれているシーンだ。

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As mentioned, Juve looked to steer Napoli into the wide areas due to the lack of an aerial threat posed in the box by Mertens, Insigne and Callejon. It’s clear to see in the image below with Costa staying centrally and allowing the pass to go wide.

メルテンス、インシーニェ、カジェホンではボックス内での空中戦の怖さに欠けるので、ユベントスナポリをサイドに追い込もうといていた。コスタが中央に留まってパスをサイドに出させているのが下の図ではっきりと分かる。

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Here is an example of Juve’s defending with the ball wide with a strong overload and close distances between the players to stop Napoli from getting into dangerous areas between the lines of Juve’s defense and midfield. Instead they’re forced backwards and are again met by two banks of four and with no space to break through.

ユベントスの守備はサイドを密集させて選手間の距離を狭めて、危険なエリアであるディフェンダーミッドフィルダーのライン間に侵入させないようにしている。代わりにナポリは後退させられ、4人の塊と対峙させられて突破すrスペースが無い。

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With the lack of opportunities to get in-between the lines of Juve, Napoli tried to reach their front-three in behind with the trademark diagonal runs we’ve become accustomed to from Sarri’s side. Here Insigne looks for the diagonal run of Callejon with Mertens also making such a run, but Juventus were prepared for this and Asamoah in particular defended Callejon’s runs brilliantly.

ユベントスのライン間への侵入機会の欠如から、ナポリは我々がサッリのチームで見慣れたダイアゴナルランで前線3人の裏への供給を試みた。インシーニェがカジェホンダイアゴナルランを探して、メルテンスもまた同様にダイアゴナルランをしている。しかしユベントスはこれに備えている。特にアサモアカジェホンのランを見事に防いでいる。

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Napoli’s positional defending

For someone who deploys positionally-orientated defending, it was a joy to watch the way Napoli team moved up, down and sideways in unison throughout the 90 minutes. If Juventus’ had a compact team and setup defensively then Napoli were also just as compact and well-organized. The key was the movement of the back-four who pushed up quickly every single time the ball went backwards for Juve. If the ball went back five meters, then Napoli pushed up five meters. It was so synchronized and denied Juventus from basically creating any chances apart from the two set-pieces in one minute in the first half when Pjanic’ deflected free-kick hit the post and Higuain’s half-volley was cleared off the line from the resulting corner.
Look at the body positioning of all the Napoli players below. As soon as the ball is passed backwards they all move up as a unit. Superb.

ナポリのポジショナルディフェンス

ポジショナルディフェンスを取り入れている者からすると、ナポリの90分間調和の取れたラインの上げ下げやスライドを見るのは楽しい。ユベントスがコンパクトで守備的な布陣であるなら、ナポリもまたコンパクトでよくオーガナイズされていた。キーになるのはユベントスがボールを下げるたびに後ろの4枚が素早くラインを押し上げる動きだ。もしボールが5メートル下げられたら5メートル押し上げる。この動きがとてもシンクロしているので、ユベントスは前半1分のピアニッチフリーキックがポストを叩いた場面と、イグアインのハーフボレーがライン上でクリアされた場面以外は基本的にチャンスを作れなかった。
下のナポリの全選手の体の向きを見てほしい。ボールが下げられた瞬間全員がユニットで一斉に上がる。素晴らしい‼

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When Juve had control of the ball, Napoli’s shape was so compact that Juventus rarely ever threatened to break through centrally. Look at the distances between the Napoli players below, it’s almost impossible to play through them.

ユベントスがボールを保持している時、ナポリの陣形がとてもコンパクトなのでめったに中央を脅かすことが出来なかった。下の画像のナポリの選手の距離感を見てほしい。あんな風にプレイするのはほとんど不可能なほどだ。

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When Napoli are discussed it’s often they’re possession play or the pressing that gets mentioned, but the fact is their low-block defending is fantastic. Their brand of positionally-orientated defending sees them not only dominate the game with the ball, but also without it. As it stands, only Juventus (20) can better Napoli’s 23 goals conceded.

ナポリはよく彼らのポゼッションや言及されたプレッシングについて語られることが多いが、実際は彼らの低いブロック守備が素晴らしいのだ。彼らのポジショナル型ディフェンスはボールがある時だけ試合を支配しているわけではなく、ボールが無い時もなのだ。ユベントスだけがナポリの23失点という成績を上回っている事実がこれを示している。

 

Summary

A great game between two defensively strong sides saw few chances and it looked like it would finish 0-0 and bring Juventus a big step closer to a seventh successive Scudetto, but Koulibaly’s header in stoppage time gives Napoli a fighting chance with a point separating the top two with four games remaining. Remember that Juve has to go to Inter and Roma as well, two teams involved in a frantic battle for the two remaining Champions League spots. It will be an exciting end to the season.

サマリー

ディフェンスが優れたチーム同士の対戦はほとんどチャンスがなく0-0で終わってユベントスの7連覇が大きく近づいてもおかしくなかったが、終了間際のクリバリの一撃で残り4試合を1ポイント差で戦うチャンスが与えられた。忘れてはならないのは、ユベントスは残り試合でインテル、ローマという残されたチャンピオンズリーグの出場権をかけて熱い戦いを繰り広げている2チームと対戦しなければならない。きっとエキサイティングなシーズンの結末になるだろう。

著者
DAVID SELINI
24 year-old coach and analyst with professional club. Former professional footballer. Holds UEFA B-licence (so far). Enjoys Italian football most and love back three's, deep-lying playmakers and number 10's.